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マスクの話

受付スタッフが皆帰ってしまった後の昼下がり、クリニックの電話が鳴る。

「中国から帰国したのですが、咳が出ています。」と。

名前は聞かなかったが、声で恐らくあの人だろうという察しはついた。
そういえば中国に帰ると言っていたなと。
新型コロナ?
ふと頭をよぎりましたし、本人もそれを心配しているようでした。
当院では検査できない旨説明し、まずは厚労省等の公的機関に連絡するよう伝えると、先に保健所に連絡したという。
そしたら「かかりつけ医に相談してくれ」と言われたそうだ。

マジか…

新型コロナ疑いと言っている人に保健所が近くのクリニックへの受診を勧めた事に驚いた。
もちろん、肺炎かどうかは診察してみないと分からないが。
じゃあ肺炎の症状が認められたら、どうすれば良いのだろうか…
疑似症定点というのに指定されている施設があって、そこで疑いの患者様がでたら保健所へ届け出る事になっている。
ウチはそれに指定されていない施設で、その場合は届け出ではないが保健所に相談となっている。
無症状の潜伏期でも感染するというのに、もっと現実的な案内はないものでしょうか…
防護服など来ていない「無防備」な我々開業医は、たちまち感染してしまいますね。

そういえば少し前にイオンで店員がマスク禁止になったとかで問題になっていました。
賛否はありますが、売り場の店員がマスクしているのはどうなのか?と考えるイオン側の考えも分からなくない。
という自分のクリニックでは、受付スタッフはマスクをしているし、私としては全く禁止してもいない。
各々の考えで着用したいのであれば禁止するほどの理由もないけれど、自分は自分が余程の咳をしている時でなければマスクはしない。
「咳エチケット」
つまり、そういう事なんじゃないかな。
咳をする側がうつさないよう気を付けてくれ、と。
そのために、クリニックでは受付にマスクを用意しています。

そうそう、巷ではマスクが売り場にない状態のようで。
こうなると、色んな知り合いから「マスク手に入らないか?」と聞かれるようになります。
マスク工場に知り合いはいないので、巷に無ければウチにも入りませんが…そんな気持ちも分からなくない。
一番煽りを受けているのは花粉症の人たちかもしれません。
花粉症ではないので、その気持ちは分からないですが。