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天白区医師会医療救護所訓練

年に一度、天白区医師会医療救護所訓練といって中学校区域の単位で行う災害時を想定した訓練が行われます。
この訓練は天白区内の中学校単位で順番に行われ、今年は植田中学校の番。
私も3人いるこの区域内の防災担当委員のうちの1人となっておりまして、訓練に参加してまいりました。

まずは防災無線、備蓄倉庫、地下式給水栓、災害用仮設トイレ等の確認が行われました。

続いて救護所の設営後に行われたのがトリアージ訓練。
トリアージは特に私が今年のメインテーマと位置づけている訓練です。
我々医師会…医師の災害時における重要な役割は、救命を含めた治療行為になります。
災害が起こったと仮定して、中学校に救護所が設営されたとして、どうなるのか…と考えてみました。
例えば地震が発生して、けが人が多数発生したとしたら100人単位…いや1,000人単位で救護所に人が押し寄せるかもしれない。
災害時の限られた医療資源をどのように有効活用するのか。
実際に震災時救護所で起こった事として、歩ける元気な人が軽傷にもかかわらず救護所に押し寄せて、本当に必要な方に医療資源が回らなかったという事例が多数あったようです。
そこでまず必要なのは一次トリアージ。
トリアージについてここで詳しくは述べませんが、歩ける元気な人を優先順位という意味では除外していく必要があり、「歩ける元気な人=青タグ」と「歩けないほどの重症な人=黄タグ以上」を選別するのが一次トリアージの大事なポイントになります。この一次トリアージについては医師が行う必要がない事と、現実的なマンパワーが足らない事を想定して、今回はその役割を地域の消防団にお願いして、選別方法についてのレクチャーが行われました。
次に、二次トリアージとして医師による詳しい重症度の判定を行い、救急搬送を行う優先順位を決めていきます。

上の写真はダミー人形を使った二次トリアージ訓練を行っているところです。
一次と二次のトリアージを行ったという点では昨年より一歩踏み込んだ訓練になったのではないかなと思っておりますが、当日は色々と想定外の事象もたくさん起きて、想定した通りに行かなかった事も多々あって課題もたくさんでした。
平時の訓練ですらこのような想定外の事が起こるのですから、災害時には何が起こるか分からないという事です。

この訓練、天白区内の7つの中学校で順番に行われていくことになっており、ということは次は7年後です。