今日も声は出ません。
出ない声を無理に出そうとするからいつまでも治らないのかもしれません。
診察において言葉が伝わらないほどもどかしい事はないとつくづく感じます。
薬や注射ももちろん治療なのですが、言葉で説明して安心を得ることも大事な治療なのだなと。
大学を卒業して資格を取った当時には思いもしなかった事かもしれません。
私事ですが、大学卒業当時は痛みに興味があったので、疼痛治療の分野に進みました。
麻酔科の中のペインクリニックという分野で、中でも神経ブロックが好きで専攻しました。
注射一筋で医師人生を全うしようと考えていたくらいで、一生これで食べていこうと。
たいした腕ではありませんが、保険をかけたい程自分の手の感覚をとても大事にしていました。
当時なら声が出なくても手が無事なら何とかなるとでも考えていたかもしれません。
時は流れて、医師として少しは成長してきた証なのか、
診療に言葉は欠かせないものになり、声の出ない事の重大さが身にしみて分かります。
休むわけにはいかないので出ない声で必死に説明をして、いつまでも治る気配がないですが
少しは回復して明日を迎えられるよう、今日もゆっくり休みたいと思います。